Jean Mauboules
Seine Objektwelt
und die Kunstwelt

スイスの彫刻家ジャン・モーブール(1943–)の思想と制作の歩みを辿る本書は、作家の生い立ちに始まり、造形観の形成、そして1960年代以降のヨーロッパ美術との関係性までを視野に収めたモノグラフ。

建築を学びながら制作を続ける過程で、木、紙、段ボール、ガラスといった素材への関心を深めていったモーブールにとって、なかでも工業用ガラスが持つ透明性と不透明性、物質としての緊張感は、視覚と知覚そのものを問い直すための重要な要素となった。

本書では、フランソワ・モルレ(François Morellet)をはじめとする同時代作家との精神的な共鳴に触れつつも、特定の運動や潮流に回収されることを拒む、モーブールの孤立した制作姿勢に焦点が当てられている。その独立性こそが、彼の作品に固有の張り詰めた緊張感を与えていることが繰り返し指摘される。

1976年に本格化する「オブジェ」としての彫刻作品をひとつの転機として位置づけ、それ以前の試行錯誤も含め、写真資料とともに制作の変遷を年代順に追った、思考と実践の両面から作家像に迫る一冊。

カバー欠、表紙にヨゴレ少有。中ページ良好。

Waser Verlag, 1987
28.5×24.5cm, 133p
ハードカバー | condition: B
ISBN 3908080258

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