Kaz Oshiro カズ・オオシロ

ロサンゼルスを拠点に活動するアーティスト、カズ・オオシロは、「芸術とは何か」という根源的な問いを、極めて控えめな方法で投げかける作家である。キャンバスそのものがすでに「作品」である時代に、彼はあえて目立たず、床に置かれたスーツケースのように、気づかれずに存在する絵画を志向した。それが後に絵画だと気づかれることこそ、最大の賛辞だと語っている。

オオシロの作品は、レディメイドやトロンプルイユ(だまし絵)の伝統を引き継ぎつつ、ゴミ箱、キャビネット、汚れたカーペットなど、日常にありふれた物をモチーフにしている。それらは単なる「見つけられた物」ではなく、アクリル絵具とボンドを用いて、精密に手作業で描かれた絵画=レリーフである。

シワや汚れ、変色といった「欠陥」とされがちな要素に注意深く目を向けることで、日常の中に潜むびをすくい上げる。それは古代ギリシャのトロンプルイユ絵画にまで遡る「現代を欺くイメージ」の系譜に連なりながら、現代においてなお有効な問いを投げかけている。

表紙にスレ有。中ページ良好。

Damiani, 2014
27.5×21.5cm, 127p
ハードカバー | condition: B
ISBN 9788862083423

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