Karyolysis
大野真人 Makoto Oono

本作『Karyolysis』は、東京を拠点に活動する写真家・大野真人による最新作品集。
タイトル「Karyolysis」は、細胞核が溶解し、やがて不可視へと消えていく生物学的プロセスを指す。
生命は本質的に流動的であり、最終的には消失へと向かう。
こうした文脈において、写真は消えゆく存在を一時的に像として固定し、沈黙に意味と秩序を与えると捉えることができる。
本作は、可視性と消失のあいだにある緊張関係を通じて、生命体の収集行為における時間構造を提示する。

本書は、制作を起点とした思考実験のプロジェクト「SOLITAIRE」からの一冊。極めて個人的な思考や実験的な試みを時間をかけて構築するのではなく、まずアウトプットを先行させることを重視し、そこから生まれる他者の反応や感覚が再び個へどのように返ってくるのかを観測・実践している。

サイズ:W176 × H230mm
装丁:封筒入り写真集
製本:ハトメ止め
構成:封筒カバー+表紙+本文36P(変形表紙)+カード(W66 × H87mm)
ISBN 978-4-9914676-0-8
Design:坂脇 慶 | Kei Sakawaki



大野真人
日本人写真家、1979年千葉県生まれ。インターネット上で売買されている生物たちを集め、飼育と観察をすることで写真化した作品『SEPALATE HIDDEN RULES』によって、2016年JAPAN PHOTO AWARD受賞。東京を拠点としながら自費出版の写真集の発行や、海外での滞在制作や展示発表をしている。現在製作中の作品『Contrast A』では、混沌とした文明と文化が残るアジアの都市において人間が他の種をどのように扱っているかを調査し即興的なセットアップ技術を駆使することで、「皮肉」と「愛撫」にさらされた生き物の変化する状況を、美しく複雑な文脈の中で明らかにしている。近年ではPhMuseum Photography Grant Main Priza Shortlist2024(イタリア)、LensCulture Emerging Talent Awards Winners 2024(オランダ)、Getxo Photo Open Call Shortlist 2025(スペイン)、Phest LEICA PRIZE 2023(イタリア)など受賞している。
www.instagram.com/oonomakoto
www.makotooono.com

SOLITAIRE
レーベル名「SOLITAIRE」はトランプゲームに由来し、「人は孤独である」という視点を起点に、他者への共感を通じてポジティブさを見いだすという、逆説的で人間的な幸福観を内包している。プロジェクトごとに参加メンバーは異なるが、主にアートディレクターの坂脇慶、グラフィックデザイナーの飛鷹宏明、ファッションデザイナーの佐藤佑樹が参加。これまでに写真家 細倉真弓との共同企画「12BOOKS」を刊行し、12か月にわたり毎月1冊の印刷物を制作・発表してきた。今後も様々なアーティストとのプロジェクトを展開しており、次刊に、川島小鳥による出版物連続リリースのプロジェクトなどを予定している。
studio-solitaire.com
www.instagram.com/studio.solitaire

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